コウテイ(解散) さん
コウテイ
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑い芸人[コウテイ]下田真生/九条ジョーのネタ動画や情報を紹介。

コウテイ メンバー
ティラノ
よみがな:てぃらの
本名:下田真生
生年月日:1993年5月15日
血液型:B型
九条ジョー
よみがな:くじょうじょー
本名:
生年月日:1994年1月13日
血液型:A型
Blog
ディグラン王国 アーク・ゾイル宛
- 盟友ガルベアスon 2020年11月18日 at 06:46
『我が友よ。神が先か土地が先かを探しに行く。我が友よ。出会いと別れを手短に記す。』ガルべアス彼を忘れる為だけに、毎晩深い眠りについていたように思う。やはりジークムント・フロイトは人類史上最も偉大な人間である。現実世界に嫌気が差し、死なずにして夢を自在に操ろうとしたのだ。人間の三大欲求である睡眠と協議し合い、長い年月を費して味方につけた。彼が生し得た偉業はその後の人類の精神環境を大きく変化させた。しかしながら、実験に成功したフロイトが最初に見た夢は、奇しくも夢を叶えたいと思う夢であった。今ではその意味がよく分からなくないでもない。自分自身の細胞の一粒一粒が、最も隆起し、滾り合っていたのは、成功を侵奪している渦中だったのを覚えている。その先に待っているのは莫大な虚無だ。叶えてしまうと人間は死ぬのだ。人類は未だに誕生した意味を知らない。また新たに次の目的地を定めなければならない。大脳や小脳が海馬を通して限界を掲示しているのがよく分かる。ボクは嬉しかった。つまりは、最初から何もなかったという事だ。それを踏まえるとガルべアスは最強の人間であった。躊躇なく人類の生存本能に抗い、中立を殺す事が出来る。「私が西南西を向いているのにキリストはそっぽを向いているではないか!」「私の独断でアルファベットを順番に並べ替えさせて頂く!」「脳ある鷹は恥部を隠すのであります!」「私が女になるべきだ!それが本来の男気である!」彼の詭弁は留まる事を知らない。彼との出会いは偶然を装った必然であったに違いない。彼は偶然を装うような人間では到底ないが、彼自身が掲げた確証の無い人生の賛美歌を近くで庇う人間が必要であったので、神がボクらを引き合わせたように思える。結局のところ、ガルべアスも孤独には勝てなかったのである。その点に於いては、ボクも彼と合致していた。彼はボクを、ボクは彼を、上手く利用していたのである。突然彼が置き手紙だけを残してボクの前から消えていったのには少々戸惑ったが、彼と過ごした時間を振り返ってみると、内容のない映画を毎晩観賞し続けているような状態だったので、特に問題は無かった。彼は、彼を選んだのである。深く眠っていたので朝陽なのか夕陽なのか判断することが出来ない太陽が、自らの球体を地平線にどっぷりと沈めている。そんなに眠くはないが、止まらない彼の探究心への恋路に思いを馳せて、再び眠る事にした。『ガルべアスよ。永遠に我の心の中で高笑いし続け給え。』ズィーヤ★🤞🏻
- ゴード・ピアon 2020年10月23日 at 15:55
目を開けると、そこには辺り一面の花畑が広がっていた。赤いバラに青いサルビア、黄色いパンジー、チューリップ。色とりどりのコスモスや、ダリア、アネモネ、マリーゴールド。名前の分からない花たちが我よ我よと主張し合い、互い違いに咲き乱れている。それを覆い隠すように、満開の桜や紅葉の木々達が混み合いながら樹勢強く聳え立っている。どうやらここに四季は存在しないようだ。目の前のヒヤシンスでアゲハチョウとモンシロチョウが終わらない鬼ごっこを繰り返し、それを一瞥しながら大きなモルフォチョウがフリージアの花の蜜を吸っている。時間という概念が存在しないのか、頭上に見える大きな太陽は一向に動きを見せない。そればかりか太陽と線対称になるように反対の頭上には大きく欠けた月があり、黒いウサギがその月の椅子に腰掛けながらこちらを注意深く監視している。奥の方を見渡してみると、コスモスが咲いてる花畑の方に、髪の長い、白いワンピースの女の子が麦わら帽子を深く被り、立ち竦んでいた。様子を見に行こうとして、ボクは花を掻き分けながら歩き出した。途中で気が付いたが、どうやら女の子は泣いてるようだ。「どうして泣いている女の子の方が惹かれるのだろう。。。」下らない禅問答を引っ張り出して考えあぐねる。答えが出ない事に意気消沈して近付くのを辞めた。足下ではアリの大群が死んだカナブンの幼虫を勇み足で巣穴へ運んでいる。もといた場所に戻ろうと踵を返して歩き出した時に、女の子の声が聞こえた。「足りない。」足りない。。。?何の話だろう。足を止めずに女の子の発した言葉に考えを寄せてみるが、一向に答えは出ない。もといたヒヤシンスの花畑に辿り着く前に、ボクの周辺に灰色の霧が立ち込めていた。近くで大巨人が煙草を吹かしているのだろうか。辺りがだんだん霧がかって右も左も分からない状態になり、その場で立ち止まった。時間は経過していない様だが、立ち込める霧がボクの全身を包み込んでいき、やがて気を失ってしまった。薄れていく意識の中で、遠くの方からまた女の子の声が聞こえた。「足りない。。。」「足りない。」。。。。。。目を覚ますと、そこにはいつもの景色が広がっていた。いつもの場所でいつもの大人達が下らない詭弁を垂れ流しながら笑い合っている。全員報われなさそうな汚れた顔をしているが、本人達はそれを疑う様子もなく、ただただ日常を費やしている。たまに訪れるあの場所にはいつも決まって女の子がいて、泣きながらボクに何かを伝えようとする。その言葉の意味が一度でも分かってしまったら、ボクはもう二度とあの場所に行けなくなるような気がした。表の世界の葛藤が、裏の世界を彩っている。下らない周りの詭弁を聞き流しながら、ボクはまた目を閉じた。ズィーヤ★🤞🏻
- グレナ・テ・ラon 2019年10月31日 at 03:41
ゲルサンダースの予言の通り、万里は海馬の中へ続いていたのだ。アダムスビーは臆する事無くその生涯を謳歌して見せた。死後に見せた刹那の快楽衝動にその身を任せてラボラトリの消失をフォーカスする。カンターベルグの川のほとりで泣いているあの子は全てを悟っているようだ。我々は干渉する事は無く、左心房から滴るその偶発された記号の反旗を翻し、またLECを繰り返す。おのずと終演に向かう娼婦の誘いを断る事は無く、よろずに感心を示さないベルマーは次々とガイルの田畑を耕す。執事のラーズが怯えるのも仕方は無い。そこは辺り一面蓮沼の湿地であった。我々は退路を絶たれた少尉の心中など察する事は出来なかったが、溢れ出るアイデンティティの配管にくべをまく感覚で、みるみる内にその深沼に飲み込まれていった。躍起になったポイズンジラフに脅されては致し方ないと、ラグレットは赤から青へ、青から黒へ、動作するその濁りきったソニックムーブに身を任せて、栄光と慈悲を込めた表情で赤い実を啄むのであった。わたしもそれに続くようにカンターベルグの尾を締め、臆する事は無く、だんだんと沈んでいった。1つだけわかったことは、わたしが何もわかっていなかったという事だけだった。心は既に踊り場で低い体勢を取り、頂上の衝動機関に身を任せるだけであった。わたしは笑う事しか出来なかった。しばらく月を見ていない。体の疼きはノアやゼウスの織り成すオリンポス神話に通じている。ズィーヤ★🤞🏻
- ゲル・ゼドon 2019年7月19日 at 02:48
目を開けるとそこは、辺り一面の紺世界だった。敷き詰められたサンゴの道路に色とりどりのイソギンチャクの家。色々な形の貝やウニの自転車、アジやカサゴが定期的に止まりながら海遊する様はまるで車のようだ。ボクはそれを上から見下ろしていた。太陽は登っていないようだが、色彩鮮やかな生物達によって、海中は明るく照らされていた。ボクが深く潜ろうと手を伸ばすと、それに賛同するようにたくさんのイソギンチャクが細長い手を大きく叩いてスタンディングオベーションで歓迎してくれた。とても気分が良い。スイー。スイー。ラジオ体操第一。深呼吸の動きを繰り返して深く深く潜っていく。なぜだか呼吸は苦しくなる事はなく、ボクは別のラジオ体操の動きをやってみせ、海を、この街を、縦横無尽に泳ぎだした。ボクの後ろから、イワシの大群が鍛えられた兵士のパレードのように整列して追い越していった。ボクは潜るのをやめ、前方にいたマンボウのヒレに捕まって傘のようにして宙に浮いてみた。辺りを注意深く見渡してみる。クマノミの親子が手を繋いでお出かけをしている。タコとウツボの井戸端会議や、タチウオたちの剣道の練習。たくさんのエビが学校に集まりテスト勉強をしている。カニが3匹、終わらないジャンケンを繰り返し、ヒラメとカレイのシャルウィーダンス。会社帰りのイカたちが飲み屋を探してふらふらと彷徨っている。左側からウミガメが、遅刻した中学生のように、海藻を咥えて忙しく泳いでいった。見たことない色の海藻。前方遠くにクラゲの雨が降っているのが見える。すごい大雨。雨から逃げるように大きなジンベエザメの電車がコバンザメの車輪をコロコロと動かし、こちらへやってくる。良い街だ。感心している最中に、辺りが急に暗くなった。見上げると、そこには見たこともない大きさのクジラがいた。ボクは怖くなってマンボウの傘を強く握り締めた。感情が伝わったのか、マンボウはボクの手を振り払い、慌てて逃げていった。ボクは結婚式を無茶苦茶にされた新郎のようにその場で立ち竦み、ただ茫然とクジラを見上げた。クジラは頭上で大きな打ち上げ花火の様な潮吹きを放ち、こちらへ向かって潜り出した。あまりの体格差にボクは驚いた。山だ。山が動いている。ネズミがボクらの事を、見ている時はこんな感覚なのだろうか。。。クジラはボクの目の前で潜るのを止めた。顔が、わかる。クジラは泣いているようにも笑っているようにも見て取れた。涙は流れていないが、その虚ろな目からは生涯孤独に暮らす事を決めた決意が読み取れる。しかしながらその目は、ボクを、この弱い華奢なこのボクの身体を蔑み、嘲笑っているようにも見て取れた。ボクは初めての光景を目の当たりにして、怯えていたが、同時になぜか懐かしさを感じていた。クジラの涙のせいで海が塩水になっているのではないか。馬鹿げた禅問答を考えていた矢先、クジラが大きな口を開けた。ボクは抗えない引力に引き込まれ、海水と一緒にクジラの口内へ吸い込まれていった。途中、水中を切り裂くような轟音と共に誰かの声が聞こえた。ゲル。。。。。ゼド。。。。。ゲル・ゼド。。。?よくわからないその言葉に戸惑いつつ、地球上のどこの夜よりも暗い、クジラの口内へどんどん引きずりこまれていく。不思議と焦りはなく、その抗えない水流に従って、ボクはまたラジオ体操の動きで奥へ奥へと泳ぎだした。光を失って右も左もわからないまま、ただ流れに沿って体を動かす。この暗闇はどこまで続くのだろうか。だんだん高鳴る鼓動とは裏腹にだんだん意識は遠のいていった。ミーンミーンミン。ミーンミーンミーンミンミンミンミンミーーーーーーーーーン。。。。目を覚ますとそこはいつもの部屋だった。なんだ。また夢か。。。ボクはこの夢を何度も見た事がある。幼少期から見ている慣れないこの夢の終わりはいつも同じで、大きなクジラに飲み込まれて終わりを告げる。まただ。。。夢のせいにしたくはないが、この夢を見るとボクはいつもおねしょをしてしまう。ベッドがビショビショに濡れている。額にかいた汗をおそらく全身の汗を吸ったであろう冷たく重くなったパジャマの袖で拭った。付けっ放しで寝ていたのか、テレビのニュース番組が朝の訪れを告げる。『速報です。大量のセミの幼虫が巨大化し、羽化すること無く街を襲って暴れ回っています。警視庁は自宅から外出しないように呼びかけており、在宅中も窓を閉めるように呼びかけております。また、この事件による被害者の数は特定出来ておらず、警視庁は特別対策本部を設置するとともに、自衛隊と協力して、巨大ゼミの幼虫の駆除作戦を遂行するとともに・・・』なんだ。また夢か。ふらつく頭を抑えながら、ベッドから立ち上がった。背中に違和感を感じたのでパジャマを脱ぎ捨て、首を回して見てみると、背中には大きな透明の羽が2つ生えていた。ゲル・ゼド。そう口ずさむと、背中の羽がバタバタ動き出し、部屋のカーテンや本を揺らした。13往復した後、両羽の動きが揃い出して綺麗に風を仰ぎ出した。ゲル・ゼド。もう一度そう呟くと、ボクは2階の部屋の窓を開けてそのまま高く飛び立った。どこまで飛べるかわからないが雲を目掛けて高く高く飛び続ける。下を見下ろすと見慣れた街がいつも通りに広がっていた。ボクはなんだか可笑しくなって知らない家の屋根に向かって唾を吐いた。ズィーヤ★🤞🏻
- 大怪盗ロゼロの挑戦状on 2019年2月20日 at 04:05
それは突然の事だった。いつもの昼下がり。いつものように遅れた朝食を取る。手慣れた様子でいつものコッペパンを一口嚙り、いつものブラックコーヒーを二口飲み込む。コッペパンにはコーヒーのどっさりとした苦い香りが漂い、コーヒーにはコッペパンの甘ったるい砂糖の風味が漂う。お互いがお互いを助長し合い強調し合う様はまるで、甲子園に出場している注目された幼馴染のバッテリーのようだ。これら2組にしか織りなす事の出来ない究極のハーモニーが、元々コーヒーの苦手なわたしの口内で最高の交響曲を奏でてくれる。刑事という手前、砂糖やミルクをたくさん含んだ物を食するのを見られたくない自分を卑下するつもりはさらさらないが、これも立派な職業病と言っても過言では無いだろう。いつもの職務卓にて、手慣れた様子で残りのコッペパンを咀嚼している時の事だ。突然、窓から1枚の手紙が羽に深傷を負ったアゲハチョウのようにヒラヒラと舞い込んで来た。拝啓 『深愛なる吉川刑事へ』翌日の朝焼け、6時定刻に佳和先美術館の展示品、『堕天使カエサルの像』を頂きに参上する。大怪盗ロゼロp.s.先日頂いた多摩野記念館の竜のサファイアは10億円で買い取って頂きました。吉川刑事の月給と同じですね笑。軽愚ロゼロというのは仮の名で、毎回の犯行を6時丁度に遂行する事から我々が彼を6時0分(ロクゼロ)と呼び、やがてロゼロに相成った。素性は既に知れ渡っている。本名山西 圭伊二。39歳。AB型、さそり座。彼は数々の偽名を使いこなし、国内外問わず世界中の美術品を巧みに盗む大怪盗だ。また、彼の変装能力は最早変装の領域を越えていて、仮にわたしの変装を施したならば、例えわたしの産みの親でも本物のわたしがどちらなのか絶対に見抜く事が出来ないであろう。その類稀なる変装能力でこの世のあらゆる刑事を欺き、凌駕し続けている。その巧みな犯行に魅了される人も少なくはなく、世界中に彼を支援する会員制の団体がある程その存在は大きくなっている。わたしと彼との攻防は20年という長い年月をもってしても、エンドロールを流すことは無く、私の顔に点在する無精髭や無数の白髪がその争いの長さを誇張していた。わたしは彼をわたしのテリトリーであるモノクロの素早く動く快適なソファー。そして、角張った剛鉄の槍の倉庫のような、地下に君臨する静寂の牙城に幽閉するまでは、孫の笑顔を見ても上手くは笑えないだろう。また彼の名前がケイジだという事実もわたしの勘忍袋に針を刺し続けている。わたしは彼の今までの行動パターンから佳和先美術館に既に潜んでいる可能性を考慮し、すぐさま美術館の寄贈品の周辺に警備員を配置し、周辺を捜査させるよう催促した。ロゼロが警察になりすまし、美術館に侵入するのを未然に防ぐ為に、最小限の部下を美術館の周辺に配置した。頼れる後輩刑事の山西は、今回はお休みだ。前回の多摩野記念館でその全体の指揮を執っていた山西が、実は変装していたロゼロであり、悠々と美術館を盗んでいったのには一杯食わされた。時刻は午後2時24分。今夜は寝れそうにないので、一足先に仮眠を取る事にしよう。見慣れた事務所の壁掛け時計の秒針が、いつもより進むのが遅いように感じた。廊下では、ロゼロが変装したのかもしれない掃除のおばちゃんが手慣れた様子でせわしくモップをかけている。いつも通りのコーヒーの最後の一口が、いつもより苦く感じた。ズィーヤ★🤞🏻
- ホリデーモーニングシンキングon 2018年9月2日 at 05:24
ギジルルルリッ!ギジルルルリッ!いつもの三角錐型の目覚まし時計が奇怪な音を立て、小刻みに揺れてはボクの頭に落ちて来た。イテテテテ。。。。。最悪。。まだ朝の5時46分じゃないか。身に覚えのないタイマーにイラつきながら頭を掻き毟る。今日は日曜日。昔は、1万人の音楽隊のパレードが織りなす交響曲の中心人物のように軽快な音を鳴らしていたボクの目覚まし時計だったが、1日にその壮大な音楽を何度も演奏させられ続けたせいで、今ではただ、地下を掘り続ける掘削機のような雑音を部屋に鳴り響かせている。今日は日曜日。ディグール王国の朝は早い。外では既に新聞配達のおじさんがカルパッドに跨がり、手慣れた様子で新聞を配りまわっている。庭に植えてあるフィスの木は最盛期を迎え、赤銀色の花を咲かし、にび色の実を肥やしている。その実を啄もうとたくさんのニルタールが木に宿り、ジョンジョンせわしく鳴いている。それを窓から飼い猫のイブが蹴伸びをしながら眺めていた。今日は日曜日。少し早いが、このままだと昼過ぎまでまた寝てしまいそうなので、重たい体を起こし、ボクは出かける準備をした。緑で統一された部屋を出て、廊下を歩く。途中、姉のモーネの鼾が廊下まで聞こえてきたが、足を止めずに洗面台まで来た。手慣れた順序で歯ブラシを取り出し、水をつけて歯を磨く。歯磨き粉は、つけないタイプだ。今日は日曜日。歯ブラシを一定感覚で左右にしならせながら今日の予定を考える。今日は日曜日。今日はディルスルー通りにある行きつけのブティック、トム・トーレで服でも買おうか。ちょうど肌寒くなってきたので、薄手のカーディガンが欲しかったところだ。トム・トーレの店主、トム・ダイムさんは巻きひげの世界選手権があれば優勝する程の立派な巻きひげの持ち主だ。そのひげを際立たせるためかいつも白色のシャツを黒色のスキニーの中へ入れている。ベルトはしていない。これがダイムスタイルだと言わんばかりに毎日履き慣らし続けた革靴から醸し出される上級な品のある黒色はダイムさんの巻きヒゲをより一層際立たせている。今日は日曜日。今日はマーロ通りにある花屋パンタカルナでバラでも買おうか。最近働いている赤髪の女の子の名前はわからないが、その気さくさと、どの花にも負けない美しい笑顔で店は疚しい考えを持った男たちでごった返している。切り揃えられた花がまるで死刑を順番待ちしている裸の囚人みたいに思えて嫌っていたボクも買いに行きたくなるほどその女の子は美しい。今日は日曜日。今日はギングス通りの純喫茶ハルでコーヒーでもたしなもうか。喫茶ハルは一見さんお断りの喫茶店で、エプロンをしていなければ大きなカバとも見て取れる程のマスターバンダンドおじさんの自慢の店だ。店内では常連のお客さんがいつも決まったテーブルでコーヒーを嗜んでいる。バンダンドおじさんは気さく且つマスターに相応しいほど饒舌で、 その昔、洋ナシの木を両手で引っこ抜いた話は何度聞いても笑ってしまう。『ハル』という名前の由来はどうやら初恋の人らしい。コーヒーの味が良く分からないボクは、その洗練されたブラックコーヒーを飲みに行くというよりは、バンダンドおじさんに会いに行っているようなものだ。ボク以外にも同じ目的でお店に来ている人はたくさんいるのではないだろうか。それくらいハルは居心地が良い。今日は日曜日。歯磨きを終えて顔を洗い終えると、整髪料で髪を整え、ヒゲを剃った。今日は日曜日。時間は朝の6時11分。今日はやっぱり『いつも通り』でキミのところへ行こう。キミの寝顔にキスをして、『いつも通り』を着飾ろう。『いつも通り』に花を咲かそう。『いつも通り』を満喫しよう。その通り。その通り。ズィーヤ★🤞🏻
- グラリス王国 ドル・ダンテ伯爵であります。on 2017年10月29日 at 12:48
御機嫌よう。わたくしはグラリス王国のドル・ダンテ伯爵であります。本日も純喫茶カロムにて極上のダージリンティーを頂く。わたくしの朝日はダージリンティーに浮かぶ輪切りの檸檬である。屈託無い処女の純血のような紅茶に、燦然と輝く黄色の太陽。。本日も晴天なり!(ですが我が国の空は常に厚く黒い雲に覆われていて、年中曇りである。春先になると厚い雲が薄れてきて、少しばかり太陽の位置がわかる程度にはなるのであるが、国民はこれに対してなんの疑問も抱く事は無く、日常を過ごしているのである。)嗚呼、本当の太陽とは一体何色なのだろうか。。。。触らぬ神に祟りなし。ですが触って良い神もあります。グラリス王国中央に佇むバリルリン宮殿の聖マリア像は触った部分が良くなるといいます。ある男は足が悪く、マリア像の足を触ると自分の足がみるみる治ったのだとか。またある女は自分の顔が気に入らなかった。女は自分の目を大きくしたいとマリア像の目を触ります。すると女の目は大きな二重になりました。女は次いで鼻が低いとマリア像の鼻を触りました。すると女の鼻はみるみる高くなったのです。欲をかいた女は次に胸を大きくしたいとマリア像の胸を触りました。すると女はカミナリに打たれて死にました。。女が1番悪かったのはどうやら頭のようです。。我がグラリス王国には法律が3つしかありません。1つ、人の物を盗まないということ。1つ、人を殺めないということ。1つ、人の花に水をあげないということ。ですが最近、国王が新しい法律を立案しました。それは、人の花を枯らさないということ。。法を作った国王は、カミナリに打たれて死にました。。。人の花を枯らさないという法を守り、人の花に水をあげたからです。我々グラリス王国国民は夢を見た事がありません。夢は自在に操作できると聞いた男は夢の研究を始め、国民史上初めて夢を見ることに成功したのです。。男が見た夢は、夢を見たいと思う夢でした。。。男は、、、、、10メートルの豚に踏まれて死にました。夢中になっていたからです。。。。。。ズズズ。。。ダージリンティーが無くなりましたのでお暇させて頂きます。それでは。ズィーヤ★🤞🏻
- 手記 〜レイカお嬢様〜on 2017年9月30日 at 21:00
執事のハーベルでございます。わたくしがこの秋石家の執事になってから、もう10年が経ちます。あんなに幼かった麗花お嬢様も、今ではお庭のチョウチョを走って捕まえる程、純真無垢と言いますか豪放磊落と言いますか、ともあれ健やかな女の子に育っております。秋石家当代の秋石正道サマも娘の成長を遥か遠いお国(天国。などとは書きたくありません。)より見守って下さっている事と思います。さて今回は、わたくしが当家にお仕えしている者として大変失礼な事ではありますが、麗花お嬢様の日頃の行動について、常軌を逸している(通常の6歳のお子様の行動基準から逸脱している。)事が多々ありますので、その内容を少し書き綴っておこうと思います。来年には私立聖真里亞亞里真(せいまりあありま)小学校への進学を控えております事を考えての事であります。まず麗花お嬢様は、おヒゲが4メートルあります。麗花お嬢様はそのおヒゲを自身の髪の毛と仰っていて、剃りたく無いのだそうです。お風呂に入られる際も、自慢のおヒゲにシャンプーをしてからトリートメントを2回もする始末であります。本当の髪の毛など蔑ろにしていて、わたくしも手を焼いております。そして、麗花お嬢様はお庭の池の錦鯉(それは私が当家にお仕えする遥か前、正道サマが幼少の頃より飼っていると奥さまの晶子さまが仰っておりました。コイの寿命が30年以上あるなど信じ難いですが、他の錦鯉とは比べものにならない程大きく、炊きたての白米のような白を基調として、この世のすべての血液を凝縮したような円形の赤い斑点が数カ所。ヒレを使って左右に動く様はまるで閻魔大王が死人の行く先を裁かんとするばかり。)に自分と同じ「レイカ」という名前を付けているのであります。この「レイカ(麗花お嬢様のことを呼び捨てしているようで解せないのですが、お嬢様がこの錦鯉のことをこのように呼べと仰るのでそう呼ばせていただきます。)」の振る舞いが少々粗悪なもので、他のコイのエサを奪うのは当然で、他のコイのキレイな模様(紅白なら赤い部分だけをめがけて)をつついて傷つけたり、他のコイの上にのしかかりながら寝たり、自分のフンを食べさせたりしているのです。麗花お嬢様が「レイカ」の池での振る舞いに対して、自分を重ね合わせているのであれば、進学する小学校での振る舞いが先立たれて不安であります。そうではなくとも、「レイカ」に対して自分のもう1人の自分(そういう人間でありたいと思っている自分)を投影してそう呼んでいるのだとしても本当に不安であります。逆に、「レイカ」に対して卑下する気持ち(コイにもヒゲはありますが、オヤジギャグなどではありません。)でこのような人間になってはいけないという意味合いで自分の名を付けたのであれば、正道サマもお喜びになる事と思います。しかし、わたくしには「レイカ」が池から放たれる事を願ってこのような振る舞いをしている。ようにも見えるのであります。考えすぎでしょうか。ある日はわたくしがエサをやりに行っても振り向きもせず、逆にエサに泥をまぶして食べられないようにしていたり、また、ある日はお池から遠く離れたモミの木の下でマリーゴールドなどを見ながら日向ぼっこをしていたこともあったのです。わたくしは大急ぎでお池に戻してあげましたが、「レイカ」は一切苦しい顔をする様子もなくわたくしを一瞥して池の中をグルグル回るのです。麗花お嬢様が今後、どのような成長をされるのかわかりませんが、わたくしは麗花お嬢様が晶子さまのように品のある、美しく、つつましやかでそれでいてどこかしどけない、そんな女性になってほしいと思っております。わたくしは、麗花お嬢様の成長を「レイカ」と一緒に末長く見守っていく次第であります。ズィーヤ★🤞🏻
- ネコ会議ニャーン!on 2017年4月13日 at 20:22
毎週木曜日恒例、ネコ会議に遅れて参加しましたニャ🐈!いつもは夜の8時にミロク商店街のアーケードの上でやるのに、今日はどうやらアヤマチ神社の鳥居の下になってたらしいニャン🐈!!ミケ猫のマルによると、ニャにやらミロク商店街の精肉店、丸八(マルハチ)の奥さんが怒っていてエサをくれなくなったらしいニャー🐈!!マルハチのシャッターにおしっこをかけてく奴を僕らだと勘違いしてるらしい。。ニャー!犯人は山貝さんちのマルチーズだニャ〜〜🐈!ニャニャニャ〜、伝われ〜🐈!それと三田荘の飼い猫マロが野良になったらしいニャ!この辺のこと教えニャきゃニャ〜!あいつ毎日爪とぎしてるから怒らしたら怖いのニャーン🐈🐈!ボクは平和主義者なのニャン♩🐈!あとは諜報部、白ネコのシロ♀と餌確保部隊隊長、黒ネコのクロ♂が結婚して子供が7匹産まれたらしいニャ〜〜!全員真っ白の赤ちゃんニャンだって!お母さんに似てキレイな毛並みニャーン!!裏山羨ましい〜ニャン♩🐈!名前を産まれた順にワン、ツー、スリー、ツースリー、スリーツー、スリーツーワン、ゴー!、にしたらしいニャニャ〜!他に名前なかったのかニャン🐈??ともあれ、お祝いに鮮魚屋かっちゃんのカツオブシ、まるまる奪ってきてやるからニャ〜〜ン♩今日はそんなけニャ🐈!また報告しに来るニャーン🐈!ネコ🐈!ニャーン🐈!ニャニャニャニャニャニャニャニャニャ🐈!ズィーヤ★🤞🏻