ひつじねいり さん

　M-1に関することであればそれ以外の発信と比べてやっぱり段違いな反響があるのを身にしみて実感したので、noteでもしがませていただきます。M−1グランプリ2024に出場して準決勝で敗退して、敗者復活で負けて(49%vs51%本当にギリギリだったんだよーーん）ひつじねいりの今年のM-1は幕を閉じました。　結果で言ったらキャリアハイだけれど決勝で脚光を浴びるにはまだ足りない部分もやはり痛感した。でもそれだって身をもって思い知ることでしか実感できないことのような気もするので、来年しっかり決勝に行って、その時に「今年の経験があったからこそ」と言いたいね。総じて楽しかったです。非常に悔しくて非常に楽しかったです。負けた時にお笑いをやっていて初めて涙がこぼれ落ちそうになった。だけど堪えた。男の子だもん。男の子でおじさんだもの。「決勝に行って優勝するんだ。勝ちたいんや。俺は星野仙一だ。アイウォナウィン」と、いくら口にしてもその細部は想像できていなかった景色を、今年の経験をもってはっきり具現化できるようになったはず。それを成す人たちの成し遂げるさまだってかなり間近で見れた。レッツゴー2025。　準決勝も敗者復活戦も初めての経験だらけだった。1600人キャパの会場は意味が分からないぐらいデカくて、20人キャパの会場でも聞き取ってもらえないことが多々ある俺の声があんな人数相手にちゃんと聞こえているのかずっと心配だった。控室が47階という理解しがたい高さにあり、エレベーターで上り下りするたびに耳がキーンってなった。吉本の人たちはキーンってなってなさそうだった。こんなところにも事務所の差が出るのか。あれだけの大規模イベントなので入り時間から出番までの待ち時間はかなり長く、緊張も相まって何度も喫煙所に足を運び、帰る頃には喫煙者たちとは旧知の仲みたいな顔ができるようになった。　インディアンスの田渕さんはどこにいたって太陽のように明るく、カラタチの大山さんはどこにいたってひとりでポツンとしていて（たまに滝音の秋定さんと一緒にいる。その時だけ、ここぞとばかりにひとりぼっちでいる俺にマウントをとってくる。単なるひとりぼっちより根が深いですよ）、オズワルドの伊藤さんは我々のような初出場組に敗者復活のいろはを丁寧に教えてくれた。伊藤さんは老後は運営側にまわろうとしているのだと思う。今夜も星が綺麗のヒロ・オクムラさんがいればそこはいつだって新宿バッシュのような空気になり、豆鉄砲の東はいつも通りほとんど遅刻しかけていた。　負けた後はスタミナパンの麻婆さんと人横べーたを招集して決勝を見た。隣の個室もM-1を視聴していたようで、しかも彼らの電波の方がちょっとだけ早かったのか、薄っすらネタバレしながら見るハメになった。来年分厚くなって今年の百倍良い思いすっぞ👊おら！続きをみる

2024年8月。ネットを開けば毎日色んなゴシップが目に入ってきて、飲み会の話題に事欠かない。他人事だからとキャッキャしてしまうのもあればいくら関係ないとは言え流石に思うところがあるものだったりで枚挙にいとまがない。いつの間にやらSNSは使い方ひとつで誰かをぶっ倒せる重兵器に進化している。ちょっと前まで気晴らしツール程度だった気がするんだけど。続きをみる

六年間住んだぼろ家から引っ越した。芸人四人でルームシェアをしていた木造二階建ての一軒家で、広さやアクセスは申し分ないのだがなにぶん古い。ぼろっぼろである。敵の必殺技を喰らってギリ耐えた主人公の服ぐらいぼろっぼろだ。線路沿いにそびえたっている。電車が来ると爆音と共に少し揺れる。あまりのぼろさが物珍しかったのか、家の前を通った外国人が良いカメラで写真を撮っていたことがあった。ピューリツァー賞だって狙えるだろう。少し傾いている。冬はたぶん外より寒い。そんな家を引っ越した。初期メンバーは俺と、大仰天の木場(当時は卯月というトリオだった。募金のネタ、強かった)と、まんじゅう大帝国の田中(当時は髭がなかった。かわいかった)と、かが屋の賀屋くん(当時からパンパンだった)だった。俺以外の三人がルームシェアを始めようと家を探したところ4LDKのこの家が候補となり、四つ部屋があるならもう一人芸人を入れようとなって俺が呼ばれた。なんか面白そうだったので話を受けた。続きをみる

　マイナンバーカードを受け取った。あれこれ手続きをしたら俺にまつわる全てを国に把握される代わりに二万ポイントがもらえると聞いたので即座に手続きした。お国よ、俺のことをちゃんと把握しといてくれ。俺も俺のことをよく把握できてないんだ。頼んだぜ。続きをみる

毎年の春のはじまり、三月あたりになると身体が痒(かゆ)くなっていた。リュックを背負うと身体にあたる部分、上半身の脇とか背中とかに湿疹みたいなものが現れる。汗もかき始める季節なので”まあしゃあないか”、という感じで例年やり過ごしていたが、今年はなんだかその度合いが強いし長いし、市販の薬を塗ってみても治らんし、ちょっとどうにも気になるなということで皮膚科に行ってみた。餅は餅屋、皮膚は皮膚屋、である。問診票に”なんか痒いんよねえ”と書き込んで医者に状態を見せることになった。皮膚の状態にも波がある。風呂上がりの血行が良くなっているときがおそらく痒みのピークであり、見た目もなかなか痒そうな背中になっているのでその状態をぜひお医者さんに見てほしかったのだが、エアコンの効いた涼しく清潔な病院内では痒みはかなり落ち着いてしまっていて、あまり深刻ではなさそうな背中になっていた。”これじゃあ医者になめられるだろ。今痒くなくてどうするんだ。荒れるなら今だろ。赤くなれ、痒くなれ”と、さながらエヴァ初号機に“動け動け”と呼びかける碇シンジ君のように自らの背中を鼓舞したがどうにもならなかったので「今は割と落ち着いているんですけれど、風呂上がりとか痒かったりして寝る時とか結構困るんです」と、普通に言葉でアピールした。続きをみる